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隕石(=企画のこと)募集 2026年度採択企画発表・選考レポート公開のお知らせ

舞台芸術祭「秋の隕⽯2026東京」は、プログラムを構成する企画の⼀部を広く募集しました。計129件の応募をいただき、以下の2企画を採択いたしました。

A. 東京芸術劇場 シアターイースト
採択企画:ジュンコエモト『真夜中に寂しくなったときに観たい演劇』via Tokyo Metropolitan Theatre

B. 東京芸術劇場 シアターウエスト
採択企画:虹組ファイツ『第11回 虹組学園 秋の大文化祭』

<採択に寄せて>


最終選考は以下の2名が行いました。

●岡田利規(秋の隕石 アーティスティック・ディレクター)

〈隕石〉であること。〈隕石〉とみなしうること。それは、裏を返せば、普段そこに存在していないということ、否、存在しないことにさせられているということ、だと言える。

だから〈隕石〉は、しばしば、非常に切実である。切実さは、隕石みの度合いをはかる唯一の指標では決してないけれども、切実さは、それをはかるひとつの指標とするに然るべきものであると、言えるとおもう。こうして振り返りながら、今回の選考においてわたしたちは、そうした自覚をはっきりともちながら、というのではなかったけれども、切実さをどこか、指標のようにしていたところがあったようにおもう。

とはいえ、切実さそのものをはかったり、あるプロジェクトの孕む切実さと別のプロジェクトが孕むそれとを較べたりする、なんてことはできない。だからわたしがここで、切実さをはかる、といったようなことを言う際に、実のところは、思考や技術といったことをそこに含んで判断している。思考の軌跡や技術の後ろ盾によって、切実さが、より確かなものとして現れる。切実さの存在感を確かなものとするための手段として思考・技術・経験・センスといったものが用いられているとき、そしてそこに投入されている思考・技術・経験・センスが豊かで、冴えていたりどっしりしていたりするとき、切実さはくっきりするし、その“値”は大きくなる。

ジュンコエモト『真夜中に寂しくなったときに観たい演劇』は、レズビアンである江本純子氏がレズビアンの観客に向けてつくった演劇作品である。そのような演劇を必要とするひとのために、そして自分自身のために、江本氏はこれをつくった。自らの思考・技術・経験・センスをそこに投入して。そうしてひとつの切実なエンターテインメントがつくりあげられたのだと、わたしは応募書類(昨年に行われた本作初演の記録映像とあわせて)から感じ取った。それがエンターテインメントであるからこそ、そのパフォーマンスが帯び得るそして成し遂げ得る政治性というのがあるだろう。ここにもそれがある。そして、それはひとつの切実な〈隕石〉であるというにふさわしい。

採択したもうひとつのプロジェクトはゲイアイドルサークル、虹組ファイツによる『第11回 虹組学園 秋の大文化祭』である。虹組ファイツは、創立以来十七年間、ゲイのアイドルごっこサークルというコンセプトのもと旺盛な活動を全国的に続け、各地に熱心なファンを持つ。この長い活動の歴史を有するこのサークルの存在と、ファンも含めた活動のありようそれじたいが、「秋の隕石」という舞台芸術祭の文脈のなかで紹介する意義のあるものだとわたしはおもった。「秋の隕石」で紹介することによって、虹組ファイツのことをひとつの〈隕石〉として紹介できる。そのことに、わたしたち「秋の隕石」だからこそできる特有の意義があるとおもった。

●山口真樹子(秋の隕石 チーフ・ドラマトゥルグ)

ジュンコエモト『真夜中に寂しくなったときに観たい演劇』を評価した理由は、レズビアンのアーティストがレズビアンに向けてレズビアンを表象する作品、という狙いが明確であることがひとつ。そして、舞台芸術におけるレズビアン表象に共感できるものがないので自分がやる、という作家の強い決意が、キャンプと呼ばれる美意識とともに、作品の中に見事に実現されていることです。当事者でない観客に対しては、その存在をしっかりとみてほしい、違和感や疎外感もしっかり覚えてほしいと江本さんは考えます。この作品は観ていて楽しいしきらきらしている一方で、自分は、そして周囲の観客は今一体どういう立場・視座でこの作品を観ているのかを終始問うてくるものでもあります。ジェンダーや女性性に対する思考や省察を促す力のある作品であると考えます。

虹組ファイツ『第11回 虹組学園 秋の大文化祭』については、ゲイの人々のアイドルごっこサークルとして、メンバーが入れ替わりながら17年間確実に活動し続けている、その集団のありようを大変面白く感じました。日本全国4地区に通算140人ほどが在籍し、職業も様々で、その多様性も長年続く活動の鍵のひとつと思われます。振付も音楽もすべて自分たちのオリジナルで、全国のファンを取り込んだコミュニティが形成されています。この活動の独自性、さらには舞台芸術祭に舞台芸術の外部から「文化祭」として参入することの実験性を重視しました。

<採択企画 公演情報>


◯シアターイースト
ジュンコエモト『真夜中に寂しくなったときに観たい演劇』via Tokyo Metropolitan Theatre

日程:10月16日(金)~10月18日(日)
詳細:こちら

◯シアターウエスト
虹組ファイツ『第11回 虹組学園 秋の大文化祭』

日程:10月25日(日)
詳細:こちら

<選考におけるレポート>


選考プロセス、採択理由、応募された数や活動分野などの傾向等をまとめたレポートを公開いたしました。
2026年度
2025年度
※2025年度のレポートについて、公開が遅れましたことお詫びいたします。

<隕石(=企画のこと)について>


2026年度の募集要項はこちらからご覧いただけます。

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